「飲んだら乗るな」の前にできること。飲酒運転を回避する4つの対策

REPORT
2023.12.08

こんにちは。プロトソリューションの福田です。

年末年始が近づいてきました。
忘年会・新年会などお酒を飲む機会が増えてくるこの時期ですが、飲酒運転が増える時期でもあります。

お酒を飲んで運転することの危険性について十分理解しているものの、どれだけ言っても減らない飲酒運転。それ自体良くないことですが、飲酒運転で最も最悪なのは他人を巻き込み事故を起こしたり、相手を死なせてしまうことです。

平成18年8月に福岡県で幼児3人が死亡する痛ましい事故が大きな社会問題となりました。

飲酒運転事故を起こした場合、その後の人生にどんな影響が出るのか?

事故を起こした人、事故に遭った人それぞれの事例を福岡県警察HPから集めました。

改めて飲酒運転が招く悲劇を再認識するとともに、お酒を飲むときの心構えや飲酒運転の対策までを書いていますので、これからお酒を飲む予定のある人は読んでおいて欲しいです。

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この記事を書いたひと:福田 聡樹(ふくだ さとき)

株式会社プロトソリューション。オウンドメディア編集長。気になったことを研究し、自らの体験を元にしたコンテンツ『FUKU LAB』や、自社のタレント・取り組み・サービスなどを、記事と動画を使って発信する。
好きなもの:マズルの長い犬、本のにおい。


事例1】東名高速飲酒運転事故

<事故の概要>

日時 平成11年11月28日
場所 東京都世田谷区東名高速道路
被疑者 トラック運転手の男
被害者 父・母・姉妹2名(3歳、1歳)
事件の内容 トラック運転手が大型貨物自動車を運転し、普通乗用車に衝突。同車を炎上させ、幼い姉妹を死亡させた。
処分結果 業務上過失致死傷、道路交通法違反で懲役4年
賠償 2億4979万5756円


以下、控訴審判決から引用したものです。
当時の事故が極めて悲惨で凄まじかったことが、文面から伝わります。

本件犯行の結果は、2児を焼死させ、更に、その両親を含む合計五名の者に負傷させた極めて重大なものである。
とりわけ、被害児童2名は、当時それぞれ3歳と1歳であり、両親に慈しまれて、文字どおりこれからの人生に無限の可能性を有していたのに、脱出不能の車内で炎に身を焼かれて命を奪われたもので、その恐怖や苦痛は推測に余りあるし、また救出ができない状態で目の前で2児の死を見守るしか方法がなかった母親の無念、憤りの気持ち、その死を知らされないまま重傷の病床で呻吟(※しんぎん…苦しんでうめくこと)した父親の思い等を言葉で表現することは困難である。また、父親の熱傷は後遺症を残す重度のものであり、他の被害者たちもそれぞれに負傷したばかりでなく、眼前で車両が炎上する場面を目撃するなどして大きな衝撃を受けている。・・・ (控訴審判決から引用)

出典:福岡県警察HPより

トラック運転手の男は普段から酒を飲み、飲酒運転を繰り返していたというのだから、いつ起きてもおかしくない非常に悪質で身勝手な行為から生まれた事件だといえます。

他人を巻き込む不幸な事故を起こさないためにも、お酒を飲んで運転するのは絶対にやめましょう。以下に、被害者の遺族が書いた手記のリンクを記載しておきます。

<被害者の手記>
飲酒運転事故遺族・井上保孝・郁美さんご夫妻の手記


【事例2】海の中道大橋事件

<事故の概要>

日時 平成18年8月25日
場所 福岡市東区 海の中道大橋
被疑者 福岡市議員の男
被害者 父、母、三兄弟(4歳、3歳、1歳)
事件の内容 福岡市議員の男が普通乗用車を飲酒運転し、時速約100キロメートルで被害車両に追突し、同車を海の中道大橋から海中に転落させて幼児3名を溺死させ、さらに飲酒運転の発覚を恐れて逃走し、友人に持参させた多量の水を飲み証拠隠滅を図ったもの。
処分結果 危険運転致死傷、道路交通法違反で懲役20年


以下、一審判決から引用したものです。
同じような交通事故を2度と繰り返してはなりません。

死亡した3児は、両親に連れられて昆虫採集に出かけた帰途、被害車両内で眠りについていたところを被疑車両から追突された結果、乗っていた自動車ごと真っ暗闇の海中に放り込まれ、おそらくは何が起こったのかさえ分からないまま意識を失い、溺水の苦しみの中でその尊い生命を断たれたものである。3児は、いずれも両親から最大限の愛情を注がれ、宝物のように育てられて幸せで楽しい日々を送っていただけでなく、正にこれから夢や希望に満ちあふれた人生を迎えようとしていた矢先、生涯における多くの喜びや楽しみを存分に味わうこともできないまま、理不尽にもわずか4歳11か月、3歳3か月及び1歳3か月とい う短い一生を終えなければならなかったものであって、誠に哀れと言うほかはない。(中略)その上、両親は、自分の息子たちが博多祇園山笠で台上がりをする姿や、娘がかわいく、きれいになって最高の花嫁姿を見せてくれることを夢見ていたのに、3人の子らを本件事故によって一度に失ったものであって、3児を愛し慈しんでいた両親の悲し みや喪失感は筆舌に尽くし難く、癒される日が来ることはないと言わざるを得ず、現在も両親が被告人に対して峻烈な処罰感情を抱いているのは当然である。(中略)本件事故によって死亡した3児の生前の写真は、笑顔にあふれ、 見るべき者すべてに幸せな家族の姿を感得させるに十分であって、このような家族の幸せを一瞬にして破壊し、葬り去った本件の如き交通事故が繰り返されることがないように願わずにはいられない。・・・ (一審判決から引用)

出典:福岡県警察HPより

市議の男は事故直後に逃走し、救護措置を行わず警察にも連絡しなかった。 さらには飲酒運転の発覚を恐れ、友人に電話をして証拠隠滅を図るなど悪逆無道で非人道的な行為に走っています。

もし逃げずに助けていたら?警察を呼んでいたら?違う結果になっていたのかもしれません。

飲酒運転は人の倫理観をも麻痺させてしまいます。

飲酒運転を起こすドライバーの特徴

ここでは飲酒運転を起こすドライバーの特徴を見てみましょう。

以下は、独立行政法人 国立病院機構 久里浜アルコールセンター 松下幸生さんの調査にて、飲酒運転を起こすドライバーの理由を挙げています。

<飲酒運転を起こす理由>※

・飲酒量が少ないので問題ないと思っていた

・飲酒から時間が経っていた

・事故を起こさない自信があった

・距離が近いので大丈夫だと思った

・飲みたい気持ちが強かった

※ 参考資料:日本アルコール関連問題学会資料「ドライバーの特徴」より
https://www.j-arukanren.com/file/3.pdf

飲酒から時間が経過している、家まで近いから問題ないだろう、といったドライバーの過信からくるものが理由として多いです。また、アルコールへの依存度が高いのも特徴としてありました。

アルコールは”少量”でも脳の機能を麻痺させるので、判断力の低下から「運転しても大丈夫」といった過信を招いていることが分かります。

飲み会などお酒の量が増えるシチュエーションでは特に注意が必要です。

飲酒運転を回避する4つの対策  ADD4(アドフォー/Avoid Drunk Driving)

飲酒運転を起こすことの恐ろしさ、どんな時に発生しやすいのかは理解できたと思います。
では、飲酒運転をしない、させないためにはどうしたら良いでしょうか?
ここでは飲酒運転が起こりやすい「飲み会」をケースとした対策を書いていきます。

<飲酒運転を回避する4つの対策 ADD4(アドフォー/Avoid Drunk Driving)>

1. 公共交通機関(タクシー、バス、電車)を “ 積極的 ” に利用する

2. 運転代行を利用する

3. 家族や友人など送迎を利用する

4. 近場なら歩く、遠いなら宿泊を利用する

僕は1.を利用することが多いのですが、ここで “ 積極的に ” と書いたのは、タクシーを利用して会場まで乗り合いで行けば出費を抑えられますし、駐車場を探す手間も省けるといった金銭的・時間的コストも抑えることができます。

「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」と言われても、お酒が入ると判断力が鈍くなり「大丈夫だろう」と飲酒運転をしてしまう。そうなる可能性を少しでも下げるためにも、会場まで運転して行かないことが一番です。これで飲酒運転を回避することができます。

飲みに行く=運転をしない

ぜひ、 ADD4(アドフォー)を活用して飲酒運転を回避してください!


おすすめのアプリ

どうしても車を使って行く必要がある人のために、僕が利用してみて良かったおすすめのアプリをご紹介します。
なかなかタクシーが捕まらないときに、複数の業者に何度も電話しなくて済むので便利です。

DiDi
タクシー配車プラットフォームとして、タクシーに「乗りたい」と「乗せたい」をアプリでマッチングするサービスを提供しています。配車スピードが早く、ネット決済もできるのでストレスフリーで利用できます。到着までの時間がリアルタイムで確認できるのも有難いです。

AIRCLE
運転代行が呼べるアプリで、近くの運転手とマッチングしてくれます。待ち時間は平均12分。事前に料金の目安が分かり、到着までの時間も確認できます。

まとめ

ここまでは個人の努力でできる対策でしたが、企業など大きな組織になると強制力のある“仕組み”も必要になってきます。

僕が勤めているプロトソリューションでは、アルコールチェッカーを導入し毎日のアルコールチェックを行っています。※

クルマを扱う企業だからこそ、働く社員全てが法令遵守を徹底していく責任があるからです。

加害者にも被害者にもならない

運転する人の高い意識と仕組みを上手く利用しながら、飲酒運転撲滅を目指していきましょう。

※2022年4月1日からアルコールチェックが義務化され、さらに2023年12月1日から検知器を用いたチェックが義務化されました。対象となる車両条件は、定員11人以上の車を1台以上または白ナンバー車を5台以上使う企業です。 車種や車両用途は問わず、黄色ナンバー(軽自動車)も対象になります。

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