ラクネコを導入した背景を教えてください
元々は社内で開催したハッカソンがきっかけです。Amazon Echo Spot(AIスピーカー)の音声認識を活用して、受付の内線に置き換わるものを作ろうというアイデアで、プロトタイプ開発を行なったのがスタートでした。
ハッカソン時点ではまだまだ実用的な出来ではなかった為、それからアイデアを練って「受付を楽しく、簡単に」というコンセプトで実現できるようになりました。
プロトタイプとリリース版の大きな違いは何ですか?
違いは『音声でのコミュニケーション』です。
プロトタイプは受付時に、頭脳となるAlexaからの質問に対して一問一答していくというものだったのですが、ヒトが話す訛りや方言といったニュアンスに反応しないという課題がありました。
特にAmazon Echo Spotで音声認識した結果を、システムと照合する際の精度を向上させるのに苦労しました。
音声認識した結果をローマ字変換し、レーベンシュタイン距離で一致率を求めることで、ある程度の精度向上ができましたが、音声認識での受付は精度が上がらず断念。試行錯誤の末、リリース版はiPadでタッチパネルを使った受付システムを作るところに落ち着きました。
ラクネコで使用した技術の“要”とは?
ひとつの大きな“要”があるわけではありませんが、モダンな開発技術を積極的に採用しました。
まず、サーバー環境はすべてAWS上に構築。受付の管理画面にはAngularを用いています。特にangularはラクネコの様な仕様がある程度決まっているシステムには向いているので、開発がしやすいのが特徴なんです。
そして、AWS上には様々なサービスがあるので、それを組み合わせることで安定したシステムの開発をスピーディーに行える、そういった基盤の部分から上手く導入できたなと思っています。
ラクネコを社内で使ってみました!受付方法と通知方法の選択肢が豊富ですが、お客様によって自由に選択できるんですか?
はい。受付方法については、お客様が自分にあったやり方を選んでいただけるように複数用意しています。
また、どの受付方法がお客様にとって最適なのか、データを集める意図でもあります。
通知方法については、企業さまごとに用いているチャットツールが違うという事情から、導入障壁をなくす目的で選択肢を用意しています。
ラクネコは「受付を楽しく、簡単に」をコンセプトに、とあります。どういったところに楽しさを取り入れていますか?
「楽しさ」の要素はまだまだ弱いですが、現状ですと受付完了時に担当者の顔写真とメッセージを表示することができるので“おもてなし”からくる楽しさを演出しています。
私個人のアイデアとしては、受付画面にコンシェルジュキャラクターを表示することで、固くなりがちな受付イメージを変えることができるのではないかと考えています。
例えば、ラクネコを設置して頂く企業さま自身でキャラを構成できたり、デフォルトでキャラのテンプレートをいくつか用意しておくとか。あっ、キャラはなんとなく動物系とか、、、ヒトじゃないほうが良いですね(笑)。
何かを自動化することで希薄になりがちなコミュニケーション。
ラクネコはただ便利なだけではなく、受付という業務の中にある“おもてなし”の精神であったり、視覚的な要素の実装といった遊び心も忘れていない。
次回最終話では、ラクネコ導入後の変化と今後のアップデート内容について語って頂く。
続きはこちら最新技術への興味の源泉は、仲間とのコミュニケーション ~受付クラウドシステム『ラクネコ』③~
インタビュアー:福田 聡樹(ふくだ さとき)
株式会社プロトソリューション Webマーケティング部所属。自社ホームページ編集長。
好きなもの:爬虫類全般、本のにおい。