女性のキャリアを考える。「ダイバーシティ&インクルージョンプロジェクト」DIP座談会を取材!

REPORT
2022.09.01

こんにちは。プロトソリューションの福田です。

8月10日にプロトソリューション沖縄本社にて、DIP(ダイバーシティ&インクルージョン)の座談会が行われたので、その活動を取材してきました。

働く女性が輝ける環境作りを目指して立ち上がったプロジェクトで、2018年9月に女性活躍推進企業として「えるぼし(三つ星)」が認定されるなど、大きな実績を残しています。



今回は、既に管理職として活躍している、そして実際に子育てを経験しているDIPメンバー3人が語り手となり、女性のキャリア形成について考えていきます。

DIPメンバー(左から)玉城さん、津嘉山さん、小嶺さん、内野さん、上間さん

語り手
玉城 久子 / メディア事業推進室 責任者 広報担当
津嘉山 亜里沙 / Webマーケティング部 課長 人事担当
小嶺 節子 / コールセンター部 係長 人事担当
司会
内野 志奈子 / DIP委員長
オブザーバー
上間 瑠美子 / デジタルマーケティング部門 執行役員


座談会では、プロトソリューションで働く女性社員向けに事前アンケートを実施。

アンケートで興味深かったテーマを選定し、語り手3人が座談会形式で掘り下げていくというもの。

座談会のテーマはこちら。

①今後、妊娠・出産とライフステージが変化した際、業務でどこまで挑戦していい?
②管理職になろうと思ったきっかけ。どうやってキャリアを積んだか?
③家庭と仕事の両立の仕方
④管理者になるにあたって不安はなかったか?

それでは、一つずつ見ていきましょう!

①今後、妊娠・出産とライフステージが変化した際、業務でどこまで挑戦していい?

小嶺:女性としてとても深いテーマですよね。
人事を担当しているなかで同じ様な相談を何度か頂いたことがあります。これから出産でお休みをすることで、残されたメンバーに業務の負担がいくのではないか?迷惑をかけてしまうのではないか?そういった不安の声はやはり多いです。

玉城:結論から言うと「どこまでも挑戦して良い」と思っています。

何か新しいことにチャレンジするときってやっぱり不安ですが、とりあえずやってみると「案外出来たな」と思うことが私の経験上あったりします。それって子育てする中で得られることも多いんです。

例えば、もっと働きたいけど子どものお迎えがあるので残業ができない。するとこれまでの働き方に時間を区切らないといけない。そんなときにどうやってタスクを回していくか?

いわゆる「背水の陣」がしかれることで、効率化を考えるようになります。

効率化できないかと調べる中で新しい発見があったり、便利なツールを見つけたり、そうしていくと更に自分のステップアップをすることができる。そのステップアップが実を結んでキャリアアップに繋がることもあるので、ライフステージの変化は決してマイナスなことではなく、自分が新しいことを吸収するひとつのチャンスだと捉えてみるのも良いかもしれません。

変化はプラスと考え、自分の思う方向に挑戦して良いと思っています。

自らの体験をもとに「ライフステージの変化はプラス」と話す玉城さん



小嶺:周りの目が気になるのは責任感が強い人だからこそ出てくる不安なのかもしれませんが、育児で休むことについて周りはそんなネガティブに考えていません。

私の場合「赤ちゃんを生むためには休みが必要で母親しかできないことがある」という気持ちがありましたし、かといってそれで仕事を放っておくという訳でもないので。。休む間は思いっきりチームメンバーに頼りましたね(笑)。

私が初めて母親になったとき、ある方からのアドバイスを今でも覚えているのですが、「母親が子どもにできることは「環境」を与え「習慣」をつけさせること。それさえ出来ればあとはそれを軸に子どもは育つから。」と。
それを聞いて私は「なんでも母親がやらないといけない!」という考えを頭から外すことができて、すごく楽になったのを覚えています。
今でもそれを軸として子育てをしているので、仕事と家庭のバランスを保ちながら働けています。

なので子育ては “負担” ではなく、自身の “挑戦” を後押ししてくれると考えています。


内野:やる前から心配するのではなく、まずはやってみて自ら感じ取っていく。そして周りを頼りつつ自分の信念や軸といったものを持ち、挑戦していくことが重要ということですね。

②管理職になろうと思ったきっかけ。どうやってキャリアを積んだか?

小嶺:もともと自分がやりたいことがあったんです。でも部署の重要なミーティングには正社員しか参加できないし、そこで色んな物事が決まっていく。自分が思っていることとやりたいことが、今のポジションでは実現できないと思ったのが管理職になろうと思ったきっかけです。

「自分のやりたいことを通すには、まず正社員にならないといけない」と。

「他人から望まれてのキャリアステップもある」と語る津嘉山さん



津嘉山:きっかけは2つありまして、1つは「管理職になろう」というよりは、上司に推薦してもらったことですね。

私はもともと自分で前に出るタイプではなかったのですが、当時すごく尊敬していた上司が言うのだから間違いないだろう、信じてみようと思い管理職というポジションに挑戦しました。

2つ目は、オペレーション時代に一緒に働いていた仲間を助けてあげたいというものでした。

お客様のため目標を達成するというミッションに、仲間と取り組んでいるのが楽しかった。その仲間が仕事で悩んでいるのを見て「私が正社員になることで、できることがあるのではないか?」と思ったことです。

実際正社員になって管理者の立場を経験してみると、初めてのことで辛い事ばかりでしたが(笑)。

どうやってキャリアを積んだか?ですが、キャリアを積むのではなく、やれることを増やすことから始めました。

例えば業務で困っていることや相談事は全て聞いて解決するようにしていました。
それは私がもともと得意なことでしたし、正社員になってからやりたかったことでもあったので。

それを繰り返していると有難いことに声をかけてもらえる頻度が増え、そこから自分でも更に出来ることが増えて、気付いたら結果的にキャリアアップしていた。という感じです。

声をかけられることは「期待されている」ということなので、自分の強みを活かして取り組むことが大事だと思っています。

自分ができること(Can)と、自分がやりたいこと(Want)がキャリアを積んでいくのに一番近道になるのではと思っています。


③家庭と仕事の両立の仕方

玉城:よく「ワークライフバランス」という言葉を耳にしますが、私の場合は両立という風に考えていなくて、仕事と家庭がブレンドされているという感じですね。

働き方って人それぞれあると思います。仕事のON/OFFをしっかり分けたい人、趣味の延長を仕事にしたい人、または趣味が仕事になっている人、など。

私はもともと仕事として知らなければいけないことや、知っておくことでプライベートにも有効活用できるのではないか?とか、仕事と家庭で得る共通の部分からステップアップできないか?と考えるタイプでしたから、それなら両方の経験を仕事に活かそうと考え、オウンドメディアを立ち上げたんですね。


私がプライベートで得た情報を会社で発信することで、広報として女性活躍推進をやっているという活動の一環にもなりますし、プロトソリューションのブランディングにもなる。

という意味で考え方としては、プライベートと仕事は両立できると思っています。
私のケースはちょっと特殊かもしれないですが(笑)

内野:考え方という意味での両立ですね。さて、両立させるための “時間” をどう捻出するかという課題もあります。

玉城:確かに時間的な部分の両立は誰にとっても平等ですし、難しいところだと思うんです。

早起きして子どもの弁当を作り、身支度をしたり送り迎えがあったりすると、正直「自分の寝る時間を削るしかない」ということになってしまいがちです。そうやっていると仕事にも影響が出るし、だんだんと疲弊して家事も疎かになってしまう。

そんなときは世の中のあらゆるサービスを活用するべきです。片親の人向けのサポートセンターもあるし、女性の「働きたい!」を支援する仕組みが沢山あるので、そういったサービスを利用しての時間短縮は可能です。ご飯だって冷凍食品はどんどん使うべき!
周りの「手作りじゃなきゃね」とかそういった言葉は気にしないでいい。

働く姿勢は自分の軸で決める。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)は自分で高めていけるんです。

他人軸ではなく“自分軸”を持つことで何が大事か?が見えてくる



小嶺:私は働くことに負い目を感じた時期がありました。理想の母親像は「おかえり!」と言って暖かいご飯を出してあげることなのに、現実は子どもにカギを渡して作り置きのご飯を冷蔵庫から食べてもらう。そんなギャップに自分を責めたりしたこともありました。
ところがある時、三者面談で担任の先生から「〇〇くん、お母さんのこと凄く尊敬していますよ。仕事もしながら毎日ご飯も作って、お母さんは凄い」って。 それを聞いたときに私の子育ては間違ってなかったんだなって思いました。 自分の軸で働く姿勢を口で伝えている訳ではないけれども、子どもはちゃんと分かってくれているんだなって。

やっぱり仕事と家庭を両立しようと「理想の母親」を目指し過ぎて疲れちゃうこともあるので、そんなときは一度立ち止まって自分の軸を見直してみるのも重要です。

働く軸は周りではなく自分で決めることが大事なんですよね。

④管理者になるにあたって不安はなかったか?

玉城:何かあたらしいことを始めるときに不安はつきもの。それよりも、新しいステージでどう動けるか?だと思っています。

社内プロジェクト1つとっても、新しいチャレンジです。何も分からないところからスタートしますよね?でも分からないから調べるし、調べることで自分の視野が広がる。
ゲームで例えるなら次のMAPを広げていくために未知の領域を進んでいくみたいな。

また、私の場合は「管理者になる!」というより声をかけてもらったので、それをチャンスと捉え、どうものにしていくか?を考えました。

そういったチャンスは毎日いろんな場所に落ちているけど、それをチャンスと捉える視点がないと見逃してしまう。その視点を養うためにも自分のMAPを広げていく。その繰り返しでキャリアも形成されていくので、不安になるのではなく、チャンスと捉えどう動けるかだと思います。

■参加者からの質問

後半は、参加者からの質疑に答えていく



質問:自分の強みは?その活かし方は?日々の業務で意識していることを教えてください

玉城:自認している強みは「即断力」なんですが、周りからみた私の強みは違っていたんです。周りからは「コミュニケーション力」が強みだと言われていて、、、私一人が好きなんだけどな~って(笑)。

一度、周りに「自分の強みって何?」と聞いてみるのもいいと思います。ぶっちゃけると自認している「即断力」で何かコトが進んだことはないですし、実は周りが認識している強みのほうが求められていたりするので。

周りから認識されている強みを自分の中で積み上げていって、徐々に自分の強みと言えるようになれば一番ですね。
あと、強みはポジションによっても変化しますので、絶対的な強みを持ちつつ相手によって柔軟に変化できるものも持っていたいですね。

上間:私も自分では「戦略家」が強みだと思っていたんだけど、周りからは「人心掌握」が強みだよと言われて。
確かに振り返ると色んなプロジェクトにアサインされてるなって(笑)。

そういう意味でいうと自分の強みは役員になって知ったかもしれないです。意外と自分では気付かないので人に聞くのが早いかも(笑)。聞くことは決して恥ずかしいことではないので。

質問:頭では理解していても行動することが難しいときってありますよね? 積極的にチャンスをキャッチアップをするための行動指針はどこにありますか?

参加者からDIPメンバーへの質問が続く



玉城:自分の「〇〇したい!」というやりたい事の軸と重なるのであれば、キャッチアップして行動しています。

ただ、一見繋がらなさそうに見えても、そこから深堀りして広げていくことで繋がりが見えてくることもあるんですよ。

上間:どういう人になりたいのか?を一度考えてみると良いと思います。

この会社で貢献できることや、自分が与えられるメリットを考える。次に会社とのメリットを重ねる作業。自分がやりたいことをどれだけ具体化できるか。それはどのポジションなら実現できるか?それを掘り下げていくと自ずと行動指針が見えてくると思います。
上司が求めていることと、自分のやりたいことを合わせていく作業をしていくイメージですね。

人事考課を報告の場所だけで終わらせるのではなく、上司とのすり合わせの時間にするといいかもしれません。

これから、女性として沢山のステージが控えているかと思いますので、DIPメンバーとしても皆で助け合っていけるようにしたい。そんな環境を用意していきたいです。

ぜひ、怖がらずにチャレンジしていって欲しいなと思います。

オンラインを含め沢山の方に参加頂きました!



まとめ

座談会終了後に参加者の皆さんへアンケートを実施したところ、座談会前と後を比べてキャリア形成への前向きな意識の変化があったようです。

また、本イベントを知った男性社員から「女性の働き方やキャリアについて理解したい」という声も。

僕も撮影しながらの参加ではありましたが、非常に気付きが多いイベントでした。

なかでも興味深かったのは、妊娠・出産といった女性特有のライフステージの変化からの不安が、自らのキャリア形成を閉ざしてしまっているということ。

「子育ては母親がやらなきゃいけない」といったジェンダーバイアスを、実は女性も持っているということでした。

女性活躍を推進していく上では一方向からではなく、今回の様に参加者と一緒に双方向のコミュニケーションで深堀っていき、そのジェンダーバイアスを解いていくことがキャリア形成の近道なんですね。

DIPの活動は今後も続きますので、またご紹介できればと思います!

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この記事を書いたひと:福田 聡樹(ふくだ さとき)

株式会社プロトソリューション Webマーケティング部所属。自社ホームページ編集長。ブログ/インタビュー/動画などのコンテンツを使ってプロトソリューションの取り組み、サービスやタレント情報の発信をしています。
好きなもの:爬虫類全般、犬全般、本のにおい。


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