
とある日の朝。
役員から自社HP編集長の福田に突然の依頼が出される。
役員「福田君!カーボン・クレジットをやろう!」
福田「はい?」
役員「FUKU LABで取り上げてよ。新規プロジェクトを立ち上げるから。」
福田「え?ちょっ、、!?」
役員「じゃあ、よろしくね。」

こんにちは。編集部の福田です。
冒頭で書いたようなことって、会社ではよくありますよね^^
「カーボン?」「クレジット?」
カーボンて、あの軽くて強くて錆びないクルマのボンネット軽量化とかに使われる真っ黒いアレのことかな?
映画ワイスピでスープラに付いていたのを見た気がするけど。。
いや、何か違う気がする。
役員の冗談でもなさそうだ(よく冗談を言う人だけど)
空気を察するに、プライオリティー高めの感じだったのでこれは進めていくしかないけども、待てよ。
新規プロジェクトとか言っていたな。。
オーケー。落ち着け福田。一度整理してみようじゃないか。
■気候変動が脅かす課題
そもそもカーボン・クレジットの話をする前に、私たちの暮らす地球が抱えている大きな課題に目を向ける必要があります。
地球温暖化、海面上昇による沿岸災害、豪雨や台風といった異常気象、これら全ての原因は私たちが暮らす中で発生する“温室効果ガス”の影響によるものと言われているのは既に知っていますよね?
2021年10月にノーベル物理学賞受賞が決まった真鍋淑郎さんは、「二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが地球の気候に重大な影響を及ぼす」と、なんと50年前に予測していました。
ではその二酸化炭素はどこから生まれるのか?
それらの多くは“化石燃料”から出ていて、つまるところ私たちが使用する『電気』ということになります。
「え?じゃあ、電気使うなってこと?」
って声が聞こえてきそうだけど、落ち着いて。
いいかい? 落ち着いて聞いて欲しい。
■2050年 カーボン・ニュートラル宣言
2020年10月に菅前総理から「2050年カーボン・ニュートラル脱炭素社会の実現」が宣言されました。
脱炭素といっても、絶対に温室効果ガスを出すなというわけではなく(そんなの無理。)私たちの生活や経済活動でどうしても出てしまう温室効果ガスを、省エネ活動や植林、再生可能エネルギーなどで埋め合わせ(これをカーボン・オフセットという)、温室効果ガスの排出とカーボン・オフセットでバランスが取れた状態にもっていくというのが、カーボン・ニュートラルなのであります。
これを世界120カ国以上で宣言し、温室効果ガス排出の実質ゼロを目指しているのです。
そのカーボン・ニュートラルの状態に持っていく為に、私たちが出来ることの1つが『省エネ』。
身近なところでいくと「使わない電気を消す」という行動なのですね。

■カーボン・クレジットとは?
さてさて、カーボン・オフセット、カーボン・ニュートラルを理解したうえで、本題に戻ります。
カーボン・クレジットを調べてみると、、
カーボン・クレジット(J-クレジット)
“国が認証するJ-クレジット制度とは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。
本制度は、国内クレジット制度とオフセット・クレジット(J-VER)制度が発展的に統合した制度で、国により運営されています。
本制度により創出されたクレジットは、低炭素社会実行計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用できます。”
J-クレジットより引用
うん。分かりにくい。
もう少し分かりやすく言うと、
温室効果ガスの排出削減又は吸収するプロジェクトを通じて生成される排出削減・吸収量を価値化(見える化)したもの。
つまり、私たちで出来る省エネや植林活動によって削減・吸収された温室効果ガスの効果を数値化したものが、カーボン・クレジットになります。いわゆる“債権”みたいなものでしょうか。
さらにはこのカーボン・クレジットをカーボン・オフセットとして売り買いもできるようです。
なるほど。確かに事業になりそうですね。
■まとめ
・カーボン・オフセット
ヒトの経済活動や生活で排出された二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスについて、どうしても削減できない部分を、植林・森林保護・クリーンエネルギー事業(排出権購入)などで、埋め合わせする行動のことを言う。
・カーボン・ニュートラル
二酸化炭素(CO2)の排出量から吸収量と除去量を差し引き、均衡をとった中間の状態(ニュートラル)にする状態のことを言う。
・カーボン・クレジット
省エネや植林活動によって削減・吸収された温室効果ガスの効果を数値化したものを言う。
カーボン・クレジットは企業や自治体へ売り買いが出来る。
まとめると、脱炭素社会へ向けてカーボン・オフセットに取り組み、温室効果ガス排出を実質ゼロのカーボン・ニュートラルの状態まで持っていき、創出されたカーボン・クレジットを取引して再生可能な社会を循環させていくということですね。
この新規プロジェクトについては、今後もFUKU LABで取り上げていきますので楽しみにしていてください♪
次回の記事は・・・
「PSで測定してみた沖縄本社での二酸化炭素排出量は●●トン!!それってどのくらいなんだろう??」
この記事を書いたひと:福田 聡樹(ふくだ さとき)
株式会社プロトソリューション Webマーケティング部所属。自社ホームページ編集長。ブログ/インタビュー/動画などのコンテンツを使ってプロトソリューションの取り組み、サービスやタレント情報の発信をしています。
好きなもの:爬虫類全般、本のにおい。