AIを「使う人」から「作る人」へ、60組114名の挑戦!〜 沖縄で48本のアプリが生まれた日|応募者の6割はコードを書かない人たちだった 〜

NEWS
2026.09.17
bakusokuMV

2026年9月12日、宜野湾のCODE BASE OKINAWAで「AI爆速アプリコンテスト」を開催しました。

主催はCODE BASE OKINAWA(株式会社プロトソリューション)と、Google Cloudユーザーコミュニティ Jagu’e’rです。

応募は60組114名。提出された作品は48本。応募者の年齢は10代前半から60代まで広がり、そして約6割は、普段コードを書いていない人たちでした。

「デジタル成仏」「禁煙RPG」「災害時の情報トリアージ」——。生成AIがアプリ開発のハードルを下げているという話はよく聞きますが、実際どんなものが作られているのか。48作品ぶんのデータと、当日の様子を公開します。

当日は約100名が来場。プレゼン後には審査員との質疑応答が3分間設けられました。

48作品は、どのAIで作られたのか

提出時のアンケートで、制作に使ったAIツールを聞きました(複数回答)。

ツール 割合
Claude/Claude Code 約43%
ChatGPT/OpenAI Codex 約39%
Google Antigravity 約33%
Gemini 約29%
OllamaなどのローカルLLM 約10%

このほかCursor、NotebookLM、GitHub Copilotなども挙がりました。

注目したいのは、合計が100%を大きく超えている点です。ほとんどの参加者が複数のツールを併用しています。「設計はこれ、コード生成はこれ、調べ物はこれ」といった使い分けが、開発を職業にしていない層にもすでに浸透していました。

もうひとつローカルLLMが約10%という数字も見どころです。今回は「ローカルLLM賞」を別枠で設けていたとはいえ、クラウドAIに頼らず手元のPC環境で動かすという選択をした人が一定数いたことになります。


応募したのは、どんな人たちだったのか

エントリー代表者60名の内訳です。

プログラミング経験

回答 人数 割合
まったく経験がない 13名 21.7%
過去に少し勉強した程度 26名 43.3%
日常的に開発を行っている 21名 35.0%

普段は開発をしていない層が、合わせて約65%。 3人に2人が、職業として日常的にコードを書いているわけではない人たちでした。

年代・職業の広がり

年代:10代・20代が合わせて約6割、30代が約4分の1、40代以上が1割強
年齢の幅:10代前半から60代まで
職業:学生が半数以上、会社員が約3割、残りが自営業・公務員など

10代前半の学生から60代の方まで、およそ50年の年齢差がある人たちが、同じ締切に向かって同じものを作っていました。これが2026年のアプリ開発の裾野です。


提出された48作品の内訳

募集時に設けた3部門ごとの提出数は以下の通りです。

ライフ部門(毎日をちょっと便利にする)— 24作品
ローカル部門(沖縄での滞在時間をより素敵に)— 15作品
ワーク部門(業務における実用性)— 9作品

生活まわりのアイデアが半数を占めた一方で、現場の業務課題に踏み込んだ作品が9本出てきたのは、今回の大きな手応えのひとつでした。


本選に進んだ11組の作品

事前審査を通過し、ステージでプレゼンしたのは11組26名です。プレゼン6分、審査員による質疑3分という構成でした。


ライフ部門 4組

ワケルンどー!!(KBC_A)

ごみを撮影するだけで、捨て方と収集日がわかる分別アプリ。AIには品目の候補だけを出させ、捨て方そのものは自治体の公式データから表示することで、誤案内を防ぐ堅実な設計です。

小竜と卒煙クエスト(カッキー)★ライフ部門賞

タバコが吸いたくなる3分間を、小竜「ノア」との戦闘に変える禁煙RPG。約15年の喫煙経験から生まれた作品で、吸ってしまってもペナルティを与えず再挑戦を促す優しい設計が特徴です。

MedRecall(医学生による個人参加)

1科目1回の試験対策で教材が3,000ページに及ぶという現実から出発した、医学生向け学習アプリ。根拠となる理由と出典をたどりながら演習まで進められます。

デジタル成仏(結)★総合グランプリ/オーディエンス賞/シーエー・アドバンス賞

捨てられないモノと過去の後悔に区切りをつけるためのアプリ。(詳細は受賞セクションにて後述)


ローカル部門 4組

ゆいトリアージ(U3A2)

 災害時に情報を増やすのではなく、見る順番を変えるという発想の防災アプリ。住民と旅行者で優先順位を切り替え、7言語に対応します。

TravelAI(FNS DEV)

バラバラな同行者の希望をひとつの旅程にまとめる沖縄旅行のAIコンシェルジュ。天候悪化にはその場で代替案を提示し、日本語・英語・ベトナム語に対応。

シーサートーク(ShisaTalk)(Genius Akebono)

検索しても出てこない「その店にしかない答え」を、店先のシーサーから受け取って持ち帰るアプリ。位置情報を取得せず、端末内で完結するプライバシー配慮もポイントです。

Meelyze(HayaNaga-T)★ローカル部門賞

メニューを撮るだけでアレルゲンの有無が見えるインバウンド向けアプリ。イナムドゥチやミヌダルなど、料理名から中身が想像できない沖縄の郷土料理を対象にしています。

質疑応答では、実装の判断理由まで踏み込んだやり取りが交わされました。


ワーク部門 3組

ゆいマッチ(一般社団法人 宜野湾青年会議所)★ワーク部門賞

台風被害の初動対応が出発点。既存のExcel名簿から、平時と災害時の協力先を探せます。名簿に登録された事実とAIによる推定を分けて表示する、実用的な設計です。

現場録(げんばろく)(宮平 忍)

客室のQRから6言語で困りごとを送信し、担当割り当てから引き継ぎ・日誌まで自動で残す宿泊施設向けシステム。設備点検の現場で約30年という経験から生まれました。

Shimask(シマスク)(株式会社レキサン)

Slackにファイルを投げるだけで履歴書の個人情報を黒塗りするツール。2026年6月からすでに本番運用中で、投稿から約1分で処理が完了します。

すべての作品に共通していたのは、全員が自分の身の回りにある「本当に困っていること」から出発しているという点でした。

AIで何ができるかではなく、自分が何に困っているかが先にある。だからこそ、6分のプレゼンに熱がこもっていました。

作品 チーム
総合グランプリ デジタル成仏 結(ゆい)
オーディエンス賞 デジタル成仏 結(ゆい)
シーエー・アドバンス賞 デジタル成仏 結(ゆい)
ライフ部門賞 小竜と卒煙クエスト カッキー
ローカル部門賞 Meelyze HayaNaga-T
ワーク部門賞 ゆいマッチ 一般社団法人 宜野湾青年会議所
ローカルLLM賞 沖縄らくらく観光ナビ「沖らく」 みるくてぃー
グランプリ賞はAmazonギフトカード10万円分。

結果発表:チーム「結」が三冠達成グランプリ「デジタル成仏」

グランプリは、専門学校に通う学生2名によるチーム「結(ゆい)」の「デジタル成仏」でした。

思い出があって捨てられないモノや、言えないまま抱えてきた後悔に区切りをつけるためのアプリです。写真とメッセージを添えて手放す「モノの成仏」、心に残った本音を送り出す「心のお焚き上げ」、そして整理がついた品物を次に必要とする人へ繋ぐ「輪廻マーケット」という構成になっています。

「捨てられない罪悪感を感謝に変える」というコンセプトから始まったプレゼン。

講評では、審査員3名がそれぞれ挙げた「最も印象に残った作品」が、3名とも同じ作品だったことが明かされました。手放したモノから返事が返ってくるという体験の設計、そして成仏したあとに次の人へ渡っていくという循環の発想が、これまでに例を見ないものだったと高く評価されています。

受賞したお二人からは、学生なりのアイデアを評価してもらえた喜びと、これまでクラスメイトの前でしかプレゼンの機会がなかったところ、初対面の方々の前で発表できたことが貴重な経験になったという言葉をいただきました。


審査について

審査は「課題設定・解決アイデア・実用性・プレゼンの伝え方」の4項目で行いました。

審査員 所属
仲濱 政治 株式会社プロトソリューション 執行役員CTO
神谷 乗治 株式会社GScale 代表取締役/Google Developer Expert (Data Cloud)
秋山 解 ちゅらデータ株式会社 AIエンジニア

最終審査では順位を決めかねる作品が並び、議論は白熱しました。本選に進まなかった作品にも、それぞれの着眼点と熱量があったことを申し添えておきます。

審査の集計時間には、CBcloud株式会社 プロダクト本部 マネージャーのアイパー隊長さまと、株式会社シーエー・アドバンス ABEMA事業 本部長の田村 和弥さまをお迎えし、「AI時代 市場価値の高い人になるには?」をテーマにトークセッションを行いました。


「学びの場」から、その先へ

CODE BASE OKINAWAはこれまで、「宜野湾西海岸を、ITビーチに!」というビジョンのもと、誰もが気軽に立ち寄って学べる場とコミュニティを育ててきました。

今回のコンテストは、そこから「新しいサービスや事業が生まれ続ける段階」へ進むための一手です。48作品という数字は、その母数が沖縄に確かに存在することを示しています。

当日、壇上で自分の見つけた課題を語る登壇者の姿は、会場全体に「自分にもできるかもしれない」という空気を広げてくれました。挑戦した人が、次の挑戦者を呼び込む。その循環が回り始めている手応えがありました。

全プログラム終了後、登壇者・審査員・スタッフで記念撮影。


協賛企業のみなさま

GOLD SPONSOR 株式会社シーエー・アドバンス さま
BRONZE SPONSOR ジャパンインテグレーション株式会社 さま
BRONZE SPONSOR グローバルビジネスソリューション株式会社 さま

多大なるご協力をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。

当日の様子と、これから

コンテストの全編はYouTubeにアーカイブを公開しています。11組のプレゼンと講評、トークセッションまですべてご覧いただけます。

YouTubeアーカイブ

CODE BASE OKINAWAでは、LT会、AIエージェント開発ワークショップなどを随時開催しています。フリースペースの利用も可能です。「作る側に回ってみたい」という方は、ぜひお気軽に遊びにいらしてください。

CODE BASE OKINAWAの公式ページ
https://www.protosolution.co.jp/codebase/

ページトップへ戻る