社内の在庫管理を簡単に。資産管理SaaS(AI FORCE EQUIPMENT)

REPORT
2020.10.08

ロケーション管理という言葉をご存じだろうか。

物流などで使われる言葉で、倉庫にある商品場所の住所を決めることで「何が・どこに・どのくらい」あるのかを明確にする管理方法のことである。

ロケーション管理は、物を探す手間が省けるので時間短縮に繋がるし、在庫状況を正確に把握することで、「持っているが使っていない資産」などの売却や返却ができ、余分なコストを削減できる。

では、その「物」の管理を手動でおこなっていたらどうだろう?

台帳へ記入モレなどがあった場合、せっかくの資産管理も破たんしてしまう。

今回は、「会社の資産をデータ・AIで解決する」というミッションを掲げ、資産管理SaaS(AI FORCE EQUIPMENT)プロジェクトを推進している2人へインタビュー。

資産管理を容易にするアーキテクチャから開発技術までを語ってくれた。

仲濱 政治 nakahama masaharu
2011年入社。ソリューション開発部 沖縄 責任者。
資産管理SaaSプロジェクトを統括。

屋比久 きよら yabiku kiyora
2019年入社。ソリューション開発部 沖縄に所属。
新卒2年目にして、資産管理SaaSプロジェクトへ参画し、最新技術を使ったシステム開発に従事している。

資産管理SaaS(AI FORCE EQUIPMENT)とは?

「資産管理SaaS(AI FORCE EQUIPMENT)」とは、会社内にある資産(PC、スマホ、検証端末、モニター、棚・イスといった什器、テレビなど会社にあるもの全て)が対象で、誰が・いつ・何を使用したのか?などを管理するシステム。
画像認識・RFIDを利用し、社内資産と在庫の棚卸自動化及び管理効率化を実現する。

インタビュアー福田(筆者)

「資産管理SaaS(AI FORCE EQUIPMENT)」というプロジェクトを始めるきっかけとなったのは?

仲濱氏:資産管理を効率的且つ正確に行いたいという思いがありました。

これまで、会社の資産をGoogleスプレッドシートで管理していたんですが、人の手によって更新をおこなっていました。

例えばノートPCなどの移動があった場合の更新だと、個人でGoogleスプレッドシートへ入力をおこなっていたので、入力モレや入力誤りがあったりして、棚卸のときに「あれ?どこいった?」ということが度々起こっていました。

屋比久氏:そうですね。IT機器といった物の型番入力が人によって大文字だったり、0(ゼロ)を「O(オー)」と間違えて入力していたりと、個人個人のバラつきがあって管理し辛い状況がありました。あとは単純な番号間違えで番号が被ることもあったり、その度に対象の物を探すといった手間が発生していましたね(笑)。

仲濱氏:ノートPC利用者の変更があった場合も、管理台帳の利用者名が合わないことがありました。純粋に「物」だけではなく、それを所有する「人」までを、自動的に把握できるような仕組みがあればいいなと思ったのがきっかけですね。

プロジェクトを統括する仲濱氏

手動での管理方法を自動化にというわけですね。資産管理SaaS(AI FORCE EQUIPMENT)について詳しく聞かせてください。

仲濱氏:技術的なところで言うと、マイクロサービスという考えのもと作っています。

フロントエンドはAngularDartからAPI( PHP Laravel)を呼び出しています。サーバーはAWSのコンテナという概念で、リリースを自動化する仕組みはCI/CDで行っています。

1つのプログラムソースでMac,Windows,スマフォアプリを作れる「Xamarin」というフレームワークを使って物の検知機能部分を効率的に開発しています。

予めアプリをインストールしておくことで、物を購入したときに自動的に資産登録されるといったものです。

更新のタイミングはPCシャットダウン時に行っているので、IPアドレスや利用者の情報はその都度更新されます。

これを導入することによって、資産管理マスタ(台帳)へ自動反映してくれるので、都度入力することでのヒューマンエラーをなくすことが可能になり、資産管理を効率的且つ正確に行うことができるようになります。

現在はPCやスマホといった電子端末にIPアドレスを使って移動を検知できるようにしていますが、イスや什器といったネットワークに繋がっていない物も、今後は検知できるようにしていきます。

開発メンバーはどういった布陣で挑んだのでしょう?

仲濱氏:メンバーは当社の新卒二年目である屋比久さんが、スタートアップメンバーとして2020年1月から参画しました。体制は少数で組んでいて、パートナーさんを含めフルリモートで行っています。

屋比久氏:全ての作業を在宅でしていましたが、フルリモートでの開発が不便という意識はあまりなかったですね。ペアプロ(ペアプログラミング)という手法をとっていたので、むしろ連携は取り易かったように思えます。

ペアプロ開発は1つのコードを同時に2人で触ったり、分からないことがあればその場でレクチャーもやってみせれるのでその分効率が良いんです。視覚的にプログラミングができるので、開発メンバー間での知識の共有も楽なんですよ。

新卒2年目の屋比久氏

なるほど。かなり大がかりなプロジェクトを在宅でされていたのには驚きです!資産管理SaaSの最終的なビジョンはどう考えていますか?

仲濱氏:Amazon Goの様な画像解析を使った検知機能のシステムを作りたいですね。

やりたいことは「物を買う⇒発注する⇒モノが届く⇒返却、売却、捨てる」といった物のライフサイクルをシステム化して自動管理することです。

いま我々がいるステップは社内の資産管理・棚卸業務を効率化させる段階で、システムの基盤ができたというところ。

ここから画像認識AIやRFIDタグを利用して物を購入したときに発生する資産登録の効率化を図っていきます。

それから棚卸業務を効率化し、更には持ち物を把握することで要るもの、要らないものを再定義していきます。
そして最終的なビジョンとしては、日本中の企業の遊休資産・物品を無くし、エコ・経済的な社会を実現することですね。

まとめ

資産管理は、単に物の置き場所を決めることや、『管理』だけをすれば良いものではない。使わない資産をなくし、無理やムダのない経済的な社会の実現といったエコの観点も含まれ、企業においての資産管理の在り方にも変化が起きている。

資産管理SaaS(AI FORCE EQUIPMENT)は、まさに次世代の資産管理といえるだろう。

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この記事を書いたひと:福田 聡樹(ふくだ さとき)

株式会社プロトソリューション Webマーケティング部所属。自社ホームページ編集長。ブログ/インタビュー/動画などのコンテンツを使ってプロトソリューションの取り組み、サービスやタレント情報の発信をしています。
好きなもの:爬虫類全般、犬全般、本のにおい。


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