
自動化率を上げる提案をしたときの、チームからの反応は?
テスト業務は基本的に、お客様の要件を元に行っていて、そのほとんどが決まった型に基づいていません。
ですので、自動化は不向きなのでは?という反応でした。
実際、私自身も自動化の仕組みを一から作り出すということが初めてでしたので、捉え所が無い提案ではありました。
ですが、何度も打ちあわせをしていくことで自動化の知識が深くなってきて、出てくる意見の精度も上がってきました。そしてある日思いついたのが、自動化をテスト業務全体のフローとして考えるのではなく、テストの行程ごとに『部品化』をするということです。お客様の要件はそれぞれ異なりますが、テストの工程を細分化してみると、案外似ている項目があったりするんです。
そうやって視点を変えたことで、始めは難色を示していたチームメンバーも「これ、いけるんじゃない?」という雰囲気になり、あとは一気に進んでいきましたね!

自動化後はどれくらいの成果が出たのでしょうか?
自動化前のテスト設計量が44ケース/hでしたが、自動化を導入したことにより153ケース/hと、これまでの3.5倍のケース生産性が向上しました。
成果の要因の1つとして、実際に自動化での運用をしながらお客様の方でも早い段階でフィードバックを頂けたりしていたので、今までの品質も保ちながら自動化ができたのではないかと思っています。
時間にすると、累計1,000時間の工数を削減できたことになります。
苦労した点を教えてください
他メンバーへ展開するにあたり、『操作はわかりやすく、簡単に』を実現するところが苦労しました。
自動化は出来た。だけどこれを作業者が分かり易く使えなきゃ意味がないってところですね。例えばUI/UXが分かり辛いと、使い方を覚える段階でスマートではないし生産性は下がります。
使う人のことを考えて作っていく設計の部分が難しく、時間がかかりましたね。

自動化への道のり。
未知の領域を試しながらも前進していく。
その結果、チームメンバーだけではなくクライアントをも巻き込みながら成果を出している。
次回最終話では、テストケースを自動生成する技術について詳しく書いていく。
前回の記事はこちら1,000時間削減までの1,000マイル ~テスト自動化までの道のり①~
インタビュアー:福田 聡樹(ふくだ さとき)
株式会社プロトソリューション Webマーケティング部所属。自社ホームページ編集長。
好きなもの:爬虫類全般、本のにおい。