既存の良さはそのままに。新しい切り口を創っていく。 ~シャインスターApp②~

REPORT
2019.12.18

今回、社員投票制度である「シャインスターApp」の導入に至った背景を教えてください


※シャインスターAppとは⇒当社ES向上の取り組みである「ありがとうを伝える制度」





2018年12月に行われた社内ハッカソンで、シャインスターのシステム化を行ったのがきっかけです。これまでは投票用紙を使った「紙」での投票だったため、600名近くいる社員の投票用紙の集計に時間と手間がかかっていました。入力チェックができないことにより無効票が発生したり、集計ミスも発生しやすい状況だったのが導入の背景としてあります。

技術的背景として、フロントエンドはAngularを使いました。
ReactやVueと並ぶ、SPA(Single Page Application)フレームワークですが、言語はTypeScriptという、JavaScriptに静的型付けを加えた言語です。
バックエンドに関してはChaliceというAWS向けのフレームワークを使いました。こちらの言語はPythonになります。



社員投票は紙で運用していましたが、紙だから伝わる文字の温かみもありますよね?
仕様の決め手となったものを教えてください。


実際に当初は「紙には紙の良さがある」という意見が多かったです。
確かにそのとおりなのですが、既存の良さの中に閉じ込められていては進化はありません。
とは言うものの、既存の良さを犠牲にするつもりもありません。
そこで、紙の良さを分析し、形を変えてシステムに取り込むようにしています。(コメントに絵文字を使えるようにしたりとか)

SPAフレームワークである「Angular」は、マテリアルデザインを簡単に提供できるので、紙のような見た目を表現することに向いています。
紙の良さをすべて取り入れられたかというとまだまだですが、今後も考えていきたいです。

なるほど。紙とシステム、両方の良さを取り入れたのですか!
そういった意味では上手くいったのではないでしょうか?


そうですね。ただ導入するにあたり、サーバレスアーキテクチャを全面的に採用したことによる困難がいくつか発生しました。

まず、利用の少ない時間帯だとLambdaやAuroraがコールドスタートになってしまい、TTFBの悪化を引き起こしました。(※ TTFB = Time to First Byte の略、最初の1バイトが到着するまでの時間)
また、Aurora ServerlessのData APIが、当時は東京リージョンでは利用できなかったため、やむなくバージニアで構築したのですが、通信が地球を半周するためレイテンシの増大につながりました。

これらに関しては、対策を行ったことにより利用に支障はなくなりました。
具体的に言うと、Lamdaを定期的に呼ぶWarmup処理の導入、キャッシュ対策、CloudFrontの導入、Lambdaのメモリチューニング、API呼び出しの非同期化などです。また、根本対処としてデータベースのリージョン移設も検討中です。

個人的にはこれで終わりではなく、速度性能にはもっとこだわりたいですね。


「シャインスターApp」での成果(効果)を教えてください


一般的に言って、システム化した場合、

・手間がかかっていたことが簡単になる
・いままで不可能だったことができるようになる

という2つの効果が現れるかと思います。
前者の成果は、集計や投票が簡単になったことですね。
後者の成果は、これによって投票期間が伸びたこと(3日間 → 20日間)、社外出向者や東京支社の方も投票できるようになったことです。
アンケートでは「紙の投票をしたことがないが、使いやすかった」という声が上がっていました。
これによって、社内で感謝の循環が始まっていれば嬉しいです。

また、デジタル化されたことにより、データの解析が簡単になります。コメント内容をもとに、気配りができる人・努力している人・技術力がすぐれている人などを見つけたり、人的ネットワークのハブになっている人を見出してリーダー候補としたり、今までよりも明確にスポットライトを当てられるはずです。




今回は「シャインスターApp」を開発する経緯と成果を語って頂いた。

社員投票制度といった情緒的なものは、単にシステム化すればいいものではない。
社員のESを保ちつつ生産性を上げていくことは、エンゲージメントの重要性を理解するといった人事的観点も無視できない。デジタル化が進む今日、技術のみではなくヒトの側面も考慮しながらの開発というのを忘れてはならない。

次回最終話では、エンジニアとして今後の展望と挑戦を関内氏が語る。



前回の記事はこちらシャインスターApp① 未知のものや新しいものへの好奇心を常に持ち続けていたい。「社員投票制度」のシステム化へ向けて




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インタビュアー:福田 聡樹(ふくだ さとき)
株式会社プロトソリューション Webマーケティング部所属。自社ホームページ編集長。
好きなもの:爬虫類全般、本のにおい。

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